建設業許可を取りたい事業者が最初に確認すべき7つのポイント

「元請から建設業許可を取るように言われた」「今後は500万円以上の工事も受注したい」という場合、すぐに申請書を集め始めるのではなく、まず自社がどの許可を、どの要件で取得するのかを整理する必要があります。
建設業許可は、営業所の場所、請け負う工事の内容、社内の人員体制などによって申請の方向性が変わります。この記事では、建設業許可を取りたい事業者が最初に確認すべき7つのポイントを分かりやすく解説します。
この記事で分かること
✅ 自社に建設業許可が必要かどうか
✅ 申請する許可区分と業種の考え方
✅ 許可要件を確認するときの重要ポイント
1.そもそも建設業許可が必要か
建設業を営む場合、軽微な建設工事だけを請け負う場合を除き、元請・下請を問わず建設業許可が必要です。原則として、建築一式工事以外では1件の請負代金が税込500万円未満であれば軽微な工事に該当します。
建築一式工事では、税込1,500万円未満の工事、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事が基準です。ただし、工事を分割して契約した場合や、発注者から材料の支給を受ける場合は、単純に契約書の金額だけでは判断できないことがあります。
2.どの許可業種を取得するか
建設業許可は、工事内容に応じた業種ごとに取得します。業種は、土木一式工事と建築一式工事の2つの一式工事、27の専門工事を合わせた29業種です。
名称だけで判断すると、実際の施工内容と許可業種が一致しないことがあります。過去の見積書、契約書、請求書、工事写真などを確認し、今後受注したい工事も含めて対象業種を整理することが大切です。
3.知事許可か大臣許可か
営業所が1つの都道府県内だけにある場合は都道府県知事許可、2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合は国土交通大臣許可となります。ここでいう営業所は、単なる登記上の所在地や資材置場ではなく、建設工事の請負契約に関する実体のある拠点かどうかがポイントです。
工事現場が県外にあるだけで、大臣許可になるわけではありません。支店や営業拠点の役割を確認して判断します。
4.一般建設業か特定建設業か
多くの事業者が最初に検討するのは一般建設業許可です。一方、発注者から直接工事を請け負い、1件の工事について下請業者へ発注する建設工事の総額が5,000万円以上となる場合は、原則として特定建設業許可が必要です。建築一式工事では8,000万円以上が基準となります。
これは元請として下請へ発注する金額の基準です。自社が受注する元請工事の金額そのものに、一般建設業許可の上限があるわけではありません。
5.経営を適切に管理できる体制があるか
許可を受けるには、建設業の経営を適切に管理できる体制が必要です。一般的には、常勤役員等に一定期間の建設業経営経験があるか、補佐する体制を含めた別の基準を満たすかを確認します。
経験年数だけでなく、役員としての在籍や経営業務への関与を客観的な資料で証明できることが重要です。登記事項証明書、確定申告書、工事契約書など、必要資料は申請先や経験の内容によって異なります。
6.営業所技術者等を置けるか
許可を受ける営業所ごとに、取得する業種に対応した資格や実務経験を持つ営業所技術者等を置く必要があります。国家資格で要件を満たす場合もあれば、指定学科の卒業歴と実務経験、または一定期間の実務経験によって認められる場合もあります。
資格者証があるだけで足りるとは限りません。営業所で継続して勤務できることや、他社の常勤役員・技術者との兼務状況なども確認が必要です。
7.財産的基礎、社会保険、欠格要件を確認する
建設業許可には、財産的基礎、誠実性、適切な社会保険への加入などの要件があり、欠格要件に該当しないことも必要です。国土交通省は、許可に必要なものとして4つの許可要件と欠格要件を示しています。
最初の確認では、次の点を整理しておくとよいでしょう。
✅ 直近の決算書や預金残高から財産要件を確認できるか
✅ 健康保険、厚生年金保険、雇用保険に適切に加入しているか
✅ 役員や事業主が欠格要件に該当していないか
財産要件の判定方法や必要な保険は、一般・特定の区分、法人・個人の別、従業員の状況などによって異なります。
まとめ
建設業許可の準備では、最初に「許可が必要か」「何業種の許可を取るか」「社内に要件を満たす人がいるか」を整理することが重要です。
特に、経営経験や実務経験は、経験があることだけでなく、申請先が求める資料で証明できるかどうかが審査のポイントになります。申請書を作り始める前に、過去の契約書、請求書、確定申告書、資格証などを確認しておくと、その後の準備が進めやすくなります。
また、必要な許可業種や証明方法は、受注する工事の内容、営業所の状況、社内の人員体制によって異なります。「どの業種を申請すればよいか分からない」「経験はあるが、必要な資料をそろえられるか判断できない」という場合は、申請準備の早い段階で行政書士に相談し、自社の状況に合った許可区分や不足資料を整理しておくと安心です。
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