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産廃許可の講習会は社長が受ける?受講者の選び方と注意点

産業廃棄物収集運搬業の許可申請では、産業廃棄物を適正に取り扱うための知識と技能があることを示すため、所定の講習会を修了した人の修了証を提出します。

法人の場合、必ずしも社長本人が受講しなければならないわけではありません。一般的には、代表者、産業廃棄物処理業務を担当する役員、または一定の権限を持つ政令使用人の中から受講者を選びます。個人事業主の場合は、本人または政令使用人が対象です。

ただし、受講者として認められる範囲や修了証の取扱いは申請先によって異なることがあります。申込みの前に、申請予定の都道府県等の手引を確認することが重要です。

この記事で分かること

✅ 法人と個人事業主の受講対象者
✅ 社長以外の役員や従業員が受講できる条件
✅ 新規・更新で選ぶ講習会の違い
✅ 受講者の退任や変更で注意すること

1.法人は代表者・役員・政令使用人から受講者を選ぶ

法人で産廃許可を申請する場合、講習会を受講する人は誰でもよいわけではありません。一般的には、次のいずれかに該当する人が受講します。

・代表取締役などの代表者
・産業廃棄物の処理に関する業務を担当する役員
・申請者の政令使用人

大阪府の案内でも、法人の場合は代表者、役員または政令で定める使用人が講習会修了者の対象として示されています。個人事業主の場合は、申請者本人または政令使用人が対象です。

役員であれば、必ず誰でも認められるとは限りません。申請先によっては、産業廃棄物の収集運搬に関する業務を実際に担当していることや、事業を適切に管理できる立場であることを確認されます。

そのため、名目上だけ役員になっている人よりも、収集運搬事業の内容を理解し、今後も継続して会社に在籍する人を選ぶ方が実務上は適切です。

申請者主な受講候補者
法人代表者、担当役員、政令使用人
個人事業主事業主本人、政令使用人
一般従業員原則として、その立場だけでは難しい

2.一般従業員の修了証は許可申請に使えない

「社長が忙しいので、事務担当者や運転手に講習会を受けてもらいたい」と考える会社もあります。しかし、一般の従業員が講習会を修了しても、その人が役員や政令使用人に該当しなければ、その修了証は許可申請のための書類として認められません。

政令使用人とは、単に会社で働いている人ではありません。支店長や営業所長など、継続的に業務を行う事業所を任され、産業廃棄物処理業に関する契約を結ぶ権限を持つ責任者をいいます。

したがって、次のような人は慎重な確認が必要です。

・役員ではない事務担当者
・運搬業務だけを担当する運転手
・契約権限のない営業所長
・入社予定で、申請時点では在籍していない人

受講者選びの重要ポイント
講習会を受けられることと、その修了証を許可申請に使用できることは別です。申込前に、受講者の役職と権限を確認しましょう。

3.新規申請と更新申請では選ぶ講習会が異なる

産廃許可申請に使用する講習会には、新規申請向けと更新申請向けがあります。また、収集運搬業と処分業、普通産業廃棄物と特別管理産業廃棄物でも受講する課程が異なります。

初めて産業廃棄物収集運搬業の許可を取得する場合は、原則として収集・運搬課程の新規講習会を選びます。
一方、変更許可申請または更新許可申請では、収集・運搬課程の新規講習会または更新講習会の修了証を使用できます。そのため、以前の受講者が退任し、新しい役員が初めて受講する場合でも、法人がすでに許可を持ち、その更新申請を行うのであれば、更新講習会の修了証を使用できます。

申込み前には、次の順番で確認しましょう。

① 収集運搬業と処分業のどちらを申請するか
② 新規・変更・更新のどの申請か
③ 通常の産廃か特別管理産廃か
④ 受講者が申請に使用できる立場にあるか

講習会の名称が似ていても、申請する許可と課程が合っていなければ使用できません。受講料を支払う前に、申請内容に対応した講習会かを確認することが大切です。

4.修了証の有効期間と申請時期を確認する

講習会修了証は、一度取得すればいつまでも使用できるわけではありません。

積替え・保管を含まない収集運搬業の申請では、新規許可申請に使用する新規講習会の修了証は、発行日から5年間有効とされています。変更許可申請と更新許可申請に使用する新規または更新講習会の修了証も、原則として発行日から5年間です。優良認定を受けている場合には、更新申請で7年間有効となる取扱いがあります。

確認する際は、講習会を受講した日ではなく、修了証に記載された発行日を見ます。講習会は、申込み後すぐに修了証を受け取れるとは限りません。受講、試験、合格、修了証の発行という流れがあるため許可申請を急いでいる場合は、申請書の作成より先に、講習会の日程と修了証の発行時期を確認することが大切です。

5.受講者が退任するときは後任者を早めに決める

講習会を修了した代表者や役員が会社を退任した場合、修了証だけを会社に残して使い続けることはできません。修了証は法人に対して発行されるものではなく、実際に講習会を修了した個人に対して発行されるためです。

特に、許可の更新時期が近い段階で受講者が退任すると、後任の役員等が講習会を修了するまで申請準備が進まないことがあります。役員変更を予定している会社では、次の点を事前に確認しておきましょう。

✅ 現在の修了者が更新申請時にも在籍しているか
✅ 後任者が受講対象となる役職に就いているか
✅ 講習会の申込枠と試験日程に余裕があるか
✅ 修了証の発行が申請期限に間に合うか

役員変更については、許可行政庁への変更届が必要になる場合もあります。講習会の受講だけでなく、登記や変更届の時期も合わせて整理することが重要です。

まとめ

産廃許可の講習会は、法人の場合、代表者、産業廃棄物処理業務を担当する役員、または政令使用人が受講するのが基本です。個人事業主の場合は、本人または政令使用人が対象となります。

社長本人でなくても受講できますが、一般従業員や運転手が受講しただけでは、許可申請に使用できないことがあります。役職名だけで判断せず、産廃事業を管理する立場や契約権限があるかまで確認することが大切です。

また、新規と更新、収集運搬業と処分業では、選ぶ講習会が異なります。受講者、講習会の種類、修了証の有効期間は申請先によって取扱いが異なる場合があるため、申込み前に最新の申請手引を確認しましょう。

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著者 行政書士
松原 尚美
Seeds行政書士事務所
大阪府四條畷市

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