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産廃収集運搬業許可とは?初心者向けに仕組みを分かりやすく紹介

産業廃棄物を他の事業者から預かり、処分場などへ運ぶ仕事を始める場合、原則として産廃収集運搬業許可が必要です。

ただし、自社の事業活動によって発生した産業廃棄物を自社で運ぶ場合は、通常、この許可は必要ありません。許可が必要かどうかは、誰が排出した廃棄物を、誰の依頼で運ぶのかによって判断します。

この記事では、産廃収集運搬業許可の基本的な仕組み、必要になるケース、申請時に確認される要件を初心者向けに解説します。

この記事で分かること

✅ 産廃収集運搬業許可の基本的な仕組み
✅ 許可が必要なケースと不要なケース
✅ どの地域の許可を取得するのか
✅ 許可申請で確認される主な要件

1.産廃収集運搬業許可とは

産廃収集運搬業許可とは、排出事業者から委託を受け、産業廃棄物を処分場や中間処理施設まで運搬するための許可です。

ここでいう産業廃棄物とは、事業活動に伴って発生する廃プラスチック類、金属くず、木くず、がれき類、汚泥などを指します。ただし、事業所から出た廃棄物がすべて産業廃棄物になるわけではありません。廃棄物の種類や発生した事業によって分類が異なります。

また、収集運搬業の許可を取得しても、廃棄物の破砕、焼却、選別、埋立てなどを行えるわけではありません。処分まで事業として行う場合は、別に産業廃棄物処分業の許可が必要です。

2.産廃収集運搬業許可が必要になるケース

代表的なのは、他社から依頼を受けて産業廃棄物を運ぶ場合です。

例えば、次のようなケースが該当します。

・建設現場から出たがれき類を処分場まで運ぶ
・工場から出た廃プラスチック類を回収する
・店舗から排出された産業廃棄物を中間処理施設へ運ぶ
・解体工事で発生した木くずや金属くずを運搬する

運搬料金を別に受け取っていない場合でも、工事代金や業務委託料に運搬費用が含まれていれば、許可が必要になることがあります。

判断するときの重要ポイント
契約書の名称ではなく、実際に誰の廃棄物を誰の責任で運ぶのかを確認することが重要です。

3.自社運搬であれば原則として許可は不要

自社の事業活動によって発生した産業廃棄物を、自社の車両で運ぶ場合は、原則として産廃収集運搬業許可は必要ありません。これを一般に「自社運搬」といいます。

ただし、許可が不要でも、廃棄物が飛散・流出しないように運ぶことや、必要事項を記載した書面を携帯することなど、法令上の運搬基準を守る必要があります。

建設工事では、原則として元請業者が排出事業者になります。そのため、下請業者が現場から廃棄物を運ぶ場合、単純な自社運搬として扱われないことがあります。

実際の判断は、元請・下請の関係、工事請負契約、廃棄物が発生した工程などによって異なります。

4.許可が必要な都道府県の考え方

産廃収集運搬業許可は、一つ取得すれば全国で使える許可ではありません。

原則として、次の地域の許可を確認します。

① 産業廃棄物を積み込む場所
② 産業廃棄物を降ろす場所

例えば、東京都内で産業廃棄物を積み込み、埼玉県内の処分場へ運ぶ場合は、基本的に東京都と埼玉県の許可が必要です。

途中で通過するだけの都道府県については、通常、その地域で積込みや荷降ろしをしなければ許可は必要ありません。

ただし、途中の施設で廃棄物を降ろし、別の車両へ積み替えたり、一時的に保管したりする場合は、「積替え・保管を含む許可」が必要になることがあります。

5.許可申請で確認される主な要件

産廃収集運搬業許可を取得するには、主に次の要件を満たす必要があります。

講習会を修了していること
法人の役員や個人事業主など、一定の立場にある人が所定の講習会を修了していることが求められます。

適切な車両や容器を用意していること
取り扱う廃棄物に応じて、飛散や流出を防げる車両、ドラム缶、コンテナなどを準備します。

事業を継続できる経理的基礎があること
決算書や納税証明書などから、事業を継続して行える状態か確認されます。

欠格要件に該当しないこと
法人、役員、一定の株主、政令使用人などが、法令で定められた欠格要件に該当しないことが必要です。

申請前の重要ポイント
要件を満たしているだけでなく、その事実を資料で証明できることが必要です。

6.取り扱える廃棄物は許可された品目だけ

許可を取得しても、すべての産業廃棄物を運べるわけではありません。

申請時には、廃プラスチック類、金属くず、木くず、がれき類など、実際に取り扱う品目を申請します。許可後に運搬できるのは、原則として許可証に記載された品目だけです。

申請前には、次の内容を具体的に整理しておく必要があります。

・どのような事業者から廃棄物を受け取るか
・どの種類の産業廃棄物を運ぶか
・どの車両や容器を使用するか
・どの処分場へ持ち込むか

処分場が対象品目を受け入れられるかどうかも確認しておきましょう。

7.許可取得後も更新や届出が必要

産廃収集運搬業許可の有効期間は、原則として5年間です。事業を続ける場合は、有効期限が切れる前に更新申請を行います。

また、許可取得後に次のような変更があった場合は、変更届や変更許可が必要になることがあります。

・法人名や本店所在地の変更
・役員や一定の株主の変更
・運搬車両の追加や廃止
・取り扱う産業廃棄物の追加
・積替え・保管の開始

変更内容によって手続きや提出期限が異なるため、許可取得後も事業内容を継続的に管理することが大切です。

まとめ

産廃収集運搬業許可は、他人から委託を受けて産業廃棄物を運ぶための許可です。一方、自社から出た産業廃棄物を自社で運ぶ場合は、原則として許可は必要ありません。

申請前には、次の順番で整理すると判断しやすくなります。

① 誰が排出した廃棄物か
② 産業廃棄物に該当するか
③ どこで積み込み、どこで降ろすか
④ どの品目を運ぶか
⑤ 要件を証明する資料がそろっているか

実際に必要な許可は、契約内容、廃棄物の種類、運搬経路、積替え・保管の有無によって異なります。申請前には、管轄自治体の最新の手引きや運用を確認することが重要です。

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著者 行政書士
松原 尚美
Seeds行政書士事務所
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