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知らないと損!経営事項審査で評価が変わるポイント

知らないと損!経営事項審査で評価が変わるポイント

経営事項審査(経審)では、決算書や技術者の資格、社会保険の加入状況など、会社のさまざまな情報が点数化されます。

しかし、評価は単に「売上が多い会社ほど高くなる」というものではありません。同じ会社の実績でも、完成工事高の計上方法や技術者の在籍状況、評価対象となる取組の有無によって、結果が変わることがあります。

経審の申請時になってから対策を始めても、すぐには反映できない項目が少なくありません。大切なのは、次回の経審を見据えて、決算前から準備することです。

この記事では、経審の基本的な仕組みやP点の構成ではなく、評価を受けるうえで見落としやすい実務上のポイントを解説します。

この記事で分かること

✅ 完成工事高を確認するときのポイント
✅ 技術者の資格だけでは評価されない場合がある理由
✅ 社会性等の評価につながる主な取組
✅ 決算前から経審対策を始める必要性

1.完成工事高は「金額」だけでなく「業種区分」が重要

完成工事高は、経審の評価に大きく関係する項目です。ただし、会社全体の工事売上が多ければ、そのすべてが希望する業種の評価に反映されるわけではありません。

経審は、土木一式工事、建築一式工事、電気工事、管工事、解体工事など、審査を受ける建設業の種類ごとに評価されます。

例えば、工事内容は管工事に該当するにもかかわらず、建築一式工事として処理していると、管工事の完成工事高へ反映できない可能性があります。請求書や工事台帳の名称だけで判断するのではなく、実際にどのような工事を請け負ったのかを確認することが重要です。

また、年間平均完成工事高は、直前2年平均または直前3年平均を選択して計算します。直近の売上が大きく伸びている会社と、年度による売上の差が大きい会社とでは、有利になる選択が異なる場合があります。

なお、平均年数の選択や業種間の積み上げには一定のルールがあります。希望する業種だけを自由に選べるわけではないため、申請前に試算しておきましょう。

重要なポイント!
工事売上をどの業種に計上するかは、請求書の件名ではなく、実際の工事内容に基づいて判断します。工事台帳、契約書、注文書、請求書の内容を一致させておくことが大切です。

2.技術者は資格だけでなく在籍期間も確認される

技術職員数は、技術力の評価に関係します。対象となる資格や実務経験によって点数が異なるため、資格者が増えることで評価が変わる可能性があります。

ただし、資格を持っている人が会社に在籍していれば、必ず技術職員として評価されるわけではありません。

原則として、審査基準日以前に一定期間継続して雇用されていることが必要です。そのため、決算直前に採用した資格者や、申請直前に資格を取得した人は、今回の経審では評価対象にならない場合があります。

また、常勤性を確認するため、健康保険・厚生年金保険の資格取得日、雇用保険の加入状況、賃金台帳などの提出を求められることがあります。

資格者を採用する場合や、従業員に資格取得を促す場合は、次回の審査基準日から逆算して計画することが重要です。

3.資格取得後の講習やCPDへの取組も見逃さない

技術者については、保有資格だけでなく、資格取得後の継続的な学習が評価につながる項目もあります。

代表的なものが、監理技術者講習やCPD・CPDSなどの継続教育です。対象となる技術者が一定の講習を受けたり、審査対象期間内に所定の単位を取得したりすることで、評価へ反映される場合があります。

ただし、どの講習でも対象になるわけではありません。認定団体、取得単位、対象期間、証明書類などの条件を確認する必要があります。

講習の受講履歴やCPDの記録は、経審の申請時にまとめて確認するのではなく、社内で定期的に管理しておくと安心です。受講証明書や実績証明書も紛失しないよう保存しておきましょう。

4.社会性等の評価は日頃の会社運営で差がつく

経審では、工事実績や技術者以外に、会社の社会性や法令遵守に関する取組も評価されます。

主な項目には、次のようなものがあります。

確認する項目主な内容
社会保険等雇用保険、健康保険、厚生年金保険の加入状況
防災活動国や自治体等との防災協定への参加
建設業の経理建設業経理士等の在籍・研修状況
品質・環境管理ISO9001、ISO14001、エコアクション21など
建設機械対象となる建設機械の保有・リース状況
若年者・女性活躍等若年技術者、女性技術者、技能者の育成など

これらは、申請書へ記載するだけで評価されるものではありません。協定書、登録証、合格証、研修受講証明書、売買契約書、リース契約書など、それぞれの事実を証明する資料が必要です。

すでに取り組んでいる制度や保有している機械があっても、証明書が準備できず評価へ反映されないケースがあります。自社に該当する項目がないか、毎年確認しましょう。

5.財務内容の改善は決算後では間に合わない

経営状況の評価は、完成した決算書の数値をもとに行われます。そのため、決算が確定してから「点数を上げたい」と考えても、今回の経審へ反映できる対策は限られます。

例えば、利益や自己資本、借入金、支払利息、売掛金などの状況は、経営状況の評価に関係します。ただし、単に借入金を減らせばよい、自己資本を増やせば必ず有利になるという単純なものではありません。

無理に数値だけを動かすと、資金繰りや本来の経営に悪影響を及ぼすおそれがあります。経審対策は、会社の経営を健全にする取組の延長として考えることが大切です。

決算前に経審の試算を行い、税理士や手続きの専門家と情報を共有しておけば、現在の課題や翌年度に向けて取り組む項目が見えやすくなります。

まとめ

経営事項審査の評価は、申請書を提出する段階だけで決まるものではありません。完成工事高の業種区分、技術者の採用時期や資格取得、CPDへの取組、社会性等の評価項目、決算内容など、日頃の会社運営が結果へ反映されます。

特に注意したいのは、「実際には取り組んでいるのに、申請していない」「証明書類がないため評価されない」というケースです。前回の結果通知書を確認し、自社が取得できていない評価項目を洗い出すことから始めましょう。

ただし、P点が高ければ必ず希望する公共工事を受注できるわけではありません。発注機関によっては、工事実績、地域貢献、主観点などを加えて等級や順位を決定します。

まずは参加を希望する発注機関の基準を確認し、必要な評価を明確にしたうえで、次回の決算や経審に向けて計画的に準備することが重要です。

※評価項目や確認書類は制度改正や申請先によって異なる場合があります。申請時には、国土交通省や許可行政庁が公開する最新の手引きをご確認ください。参考:国土交通省「経営事項審査」

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著者 行政書士
松原 尚美
Seeds行政書士事務所
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