建設業許可を見据えた会社設立|後から困らないための5つの確認事項

建設業を始めるために会社を設立する場合、株式会社や合同会社を設立してから建設業許可を申請するという流れが一般的です。
しかし、会社設立と建設業許可を別々に考えてしまうと、「定款の目的が足りない」「許可要件を満たす役員や技術者がいない」など、設立後に追加の手続きが必要になることがあります。
将来的に建設業許可の取得を予定している場合は、会社を設立する段階から許可要件を確認しておくことが大切です。
この記事で分かること
✅ 建設業許可を見据えて会社を設立する必要性
✅ 定款や役員構成を決める際の注意点
✅ 営業所・技術者・資本金に関する確認事項
1.定款の事業目的と役員構成を確認する
最初に確認したいのが、次の2点です。
確認事項① 定款の事業目的
会社の定款には、その会社が行う事業を「目的」として記載します。建設業を営む場合は、取得を予定している建設業許可の業種に対応した事業目的を入れておきましょう。
例えば、内装工事を行う会社であれば「内装仕上工事業」、解体工事を行う会社であれば「解体工事業」などの記載が考えられます。
将来、別の工事業種へ事業を広げる予定がある場合は、その内容も設立時に盛り込んでおくと、後から定款変更や変更登記を行う手間を減らせます。
確認事項② 役員の経営経験
建設業許可では、建設業の経営について一定の経験を持つ人が、常勤役員等として会社に在籍していることが求められます。
設立後に経験者を探すのではなく、発起人や役員を決める段階で、誰のどのような経験を使って要件を満たすのか確認しておくことが重要です。
経験年数だけでなく、過去の確定申告書、登記事項証明書、建設工事の契約書や請求書など、経験を証明できる資料が残っているかも確認しましょう。
2.営業所技術者等と営業所の要件を確認する
続いて、実際に建設業を営むための人員と場所を確認します。
確認事項③ 営業所技術者等を確保する
建設業許可を取得する営業所には、許可を受ける業種に対応した資格または実務経験を持つ「営業所技術者等」を常勤で配置する必要があります。
必要な資格や実務経験は、取得する建設業許可の業種によって異なります。代表者自身が要件を満たす場合もありますが、役員や従業員を営業所技術者等として配置することも可能です。
会社設立前に、取得予定の業種と保有資格が対応しているか、実務経験を証明できるかを確認しておきましょう。
確認事項④ 営業所として使用できる場所を用意する
建設業許可における営業所には、請負契約の締結や見積りなど、建設業の営業を実際に行える環境が必要です。
自宅や賃貸物件を本店とする場合は、建設業の営業所として使用できるか、賃貸借契約や管理規約も確認しましょう。単なる登記上の住所や、独立した営業実態のない場所では、営業所として認められない可能性があります。
3.資本金と許可申請までのスケジュールを確認する
確認事項⑤ 財産的基礎を踏まえて資本金を決める
一般建設業許可では、自己資本が500万円以上あることや、500万円以上の資金調達能力があることなど、一定の財産的基礎が求められます。
会社法上は少額の資本金でも会社を設立できますが、「会社を設立できる金額」と「建設業許可の財産要件を満たす金額」は別の問題です。
設立直後に建設業許可を申請する場合は、許可要件や開業後の運転資金も考慮して資本金を決めることが大切です。
また、会社設立登記が完了しても、必要な資格者や営業所、社会保険の加入関係などが整っていなければ、すぐに許可申請できるとは限りません。受注予定から逆算し、余裕を持って準備を進めましょう。
まとめ
建設業許可を取得する予定がある場合、会社を設立してから準備を始めるのではなく、設立前に許可要件を確認しておくことが重要です。
特に、定款の事業目的、役員の経営経験、営業所技術者等、営業所の実態、財産的基礎の5点は、設立後に簡単に変更できない場合があります。
会社設立と建設業許可を一体として計画することで、余分な手続きや費用を抑え、許可申請までスムーズに進めやすくなります。
※建設業許可の要件や確認資料は、申請先や個別の状況によって異なります。会社設立前に、許可行政庁の最新の手引きや専門家へ確認することをおすすめします。
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