個人事業主から法人化すると建設業許可は引き継げる?必要な手続きを解説

個人事業主として建設業許可を取得している方が法人化する場合、「現在の許可をそのまま新会社で使えるのか」と疑問に思うことも多いでしょう。
結論からいえば、個人名義の建設業許可が法人へ自動的に移るわけではありません。ただし、法人化する前に事業承継の認可を受ければ、許可の空白期間を生じさせず、法人へ建設業者としての地位を承継できる場合があります。
この記事で分かること
✅ 個人の建設業許可を法人へ承継する方法
✅ 事前認可を受けるための要件と手続き
✅ 法人化の前後に確認したい注意点
1.個人の建設業許可は自動的には引き継がれない
建設業許可は、許可を受けた個人または法人に対して与えられるものです。個人事業主と、その後に設立した会社は法律上別の事業者であるため、会社を設立しただけでは個人名義の許可を法人名義で使用できません。
以前は、個人の許可を廃業したうえで、法人として新規申請を行う必要がありました。そのため、新しい許可が出るまで、許可が必要な規模の工事を請け負えない空白期間が生じることがありました。
現在は、建設業法に設けられた事業承継制度により、法人成りについても、あらかじめ認可を受けることで許可を承継できる場合があります。
重要なのは、法人化した後に届け出るのではなく、建設事業を譲渡する前に認可を受けることです。事業譲渡後にさかのぼって認可を受けることはできません。
2.事業承継の認可を受けるための要件と流れ
承継制度を利用する場合、法人が建設業許可の要件を満たしていなければなりません。
主に確認されるのは、次のような事項です。
・建設業の経営経験を持つ常勤役員等がいること
・営業所技術者等を常勤で配置できること
・営業所としての実態があること
・財産的基礎を満たしていること
・役員等が欠格要件に該当しないこと
・個人が許可を受けている建設業の全部を承継すること
個人事業主が法人成りする場合は、個人と設立した法人との間で建設事業を譲渡する形になります。そのため、事業譲渡契約書のほか、法人の登記事項証明書や定款、役員関係書類、常勤役員等・営業所技術者等の確認資料などを準備します。
一般的な流れは次のとおりです。
① 法人を設立し、役員・資本金・事業目的などを整える
② 許可行政庁へ事前相談する
③ 個人と法人の間で事業譲渡契約を締結する
④ 承継予定日前に認可申請を行う
⑤ 認可後、予定日に建設事業と許可上の地位を法人へ承継する
大阪府では、事前相談を行ったうえで、承継予定日の少なくとも1か月前までに申請する必要があります。書類の準備期間も考え、法人化を決めた段階で早めに相談することが大切です。
3.法人化するときに注意したい手続き
事業承継の認可を受けると、法人は承継日に個人事業主の建設業者としての地位を引き継ぎます。許可がない期間を生じさせずに事業を継続できる点が大きなメリットです。
ただし、建設業許可以外の手続きまで、すべて自動的に切り替わるわけではありません。
法人化に伴って、次のような項目も確認しましょう。
・工事契約書や見積書、請求書の名義変更
・取引先や元請会社への法人化の連絡
・税務署や年金事務所などへの届出
・社会保険や労働保険への加入手続き
・銀行口座や車両、機械、事務所契約の切替え
・入札参加資格、産廃収集運搬業許可など別制度の手続き
また、個人が取得している許可業種の一部だけを法人へ承継することは原則としてできません。一部を承継しない場合は、認可申請前の廃業届など、別の対応が必要になることがあります。
まとめ
個人事業主が法人化しても、建設業許可が自動的に法人へ移るわけではありません。しかし、事業譲渡の前に認可を受け、法人が許可要件を満たしていれば、建設業者としての地位を承継できる場合があります。
承継制度を利用せず、個人の廃業と法人の新規申請を行う方法もありますが、許可の空白期間が生じる可能性があります。
法人の設立日、事業の譲渡日、認可申請の時期をまとめて計画し、役員・技術者・営業所・財産的基礎を事前に確認することが、円滑な法人化につながります。
※手続きや必要書類は申請先によって異なります。必ず管轄の許可行政庁が公開している最新の手引きをご確認ください。
関連記事
・「建設業許可を見据えた会社設立|後から困らないための5つの確認事項」
・「建設会社を設立するなら株式会社と合同会社のどちらがよい?」
建設業許可申請、産業廃棄物収集運搬許可申請、経審・入札参加実務サポート、特定金属くず買受業の届出などの許認可申請・届出に関するご相談は、大阪府四條畷市のSeeds行政書士事務所にお任せください。
補助金申請や会社設立のサポートにも対応。
四條畷市/大東市/交野市/守口市/寝屋川市/枚方市/東大阪市/生駒市/奈良市 を中心に全国からご相談いただいております。
初回相談60分無料。オンライン相談対応。土日祝・夜間対応(要予約)
Seeds行政書士事務所のホームページはこちら
些細なことでも遠慮なくご相談ください
- 初回相談
60分無料 - オンライン相談
対応 - 土日祝・夜間
対応(要予約)






