建設会社を設立するなら株式会社と合同会社のどちらがよい?違いと選び方

建設会社を設立するとき、「株式会社と合同会社のどちらを選べばよいのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
どちらも法人として建設業許可を申請できますが、設立費用や経営方法、将来の事業展開などに違いがあります。費用だけで決めず、取引先との関係や今後の会社規模まで考えて選ぶことが大切です。
この記事で分かること
✅ 株式会社と合同会社の主な違い
✅ 建設業許可を申請する場合の注意点
✅ それぞれに向いている建設会社の特徴
1.株式会社と合同会社の違い
株式会社は、出資者である株主と、会社を経営する取締役を分けられる形態です。一方、合同会社は、原則として出資者である「社員」が経営にも参加します。ここでいう社員とは従業員ではなく、会社へ出資する人のことです。
主な違いは次のとおりです。
| 比較項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 定款認証 | 必要 | 不要 |
| 登録免許税の最低額 | 15万円 | 6万円 |
| 経営方法 | 株主総会・取締役など | 定款で柔軟に決められる |
| 役員の任期 | 原則あり | 原則なし |
| 利益配分 | 原則として出資比率による | 定款で柔軟に設定可能 |
| 知名度 | 比較的高い | 株式会社より低い場合がある |
株式会社は定款について公証人の認証を受ける必要がありますが、合同会社には定款認証がありません。また、設立登記の登録免許税は、資本金の額により変わりますが、最低額は株式会社15万円、合同会社6万円です。
そのため、初期費用を抑えて少人数で始める場合は、合同会社が選ばれることもあります。一方、株式会社は一般的に広く知られているため、取引先からの見え方や将来の出資・事業承継を重視する場合に向いています。
2.建設業許可の要件は会社形態によって変わらない
建設業許可は、株式会社でも合同会社でも申請できます。合同会社だから許可を取得しにくい、株式会社なら審査が有利になるという違いは基本的にありません。
どちらを選んだ場合でも、主に次の要件を満たす必要があります。
・建設業の経営経験を持つ常勤役員等がいること
・営業所ごとに営業所技術者等を配置すること
・営業所としての実態があること
・請負契約に関して誠実性があること
・財産的基礎を満たしていること
・欠格要件に該当しないこと
注意したいのは、会社形態よりも役員や社員の構成です。
合同会社では、業務を執行する社員や代表社員が、建設業許可における常勤役員等の要件を満たすか確認する必要があります。株式会社の場合も、誰を取締役や代表取締役にするかによって、許可要件を満たせるかが変わります。
また、定款の事業目的には、取得予定の建設業許可に対応する工事業を記載しておきましょう。
3.株式会社と合同会社の選び方
会社形態は、現在の状況だけでなく、将来の事業計画も考えて選びます。
株式会社が向いているケース
・元請会社や金融機関からの見え方を重視したい
・将来的に従業員や役員を増やしたい
・株式による資金調達や事業承継を考えている
・公共工事や大規模な取引への展開を目指している
株式会社でなければ公共工事に参加できないわけではありませんが、事業規模の拡大や対外的な分かりやすさを重視する場合は、株式会社が選択肢になります。
合同会社が向いているケース
・設立費用をできるだけ抑えたい
・家族や少人数で経営する予定である
・意思決定を迅速に行いたい
・出資者が大きく変わる予定がない
合同会社は経営の自由度が高い一方、社員の加入・退社や持分の譲渡について、株式会社とは異なるルールがあります。後から株式会社へ組織変更することもできますが、手続きと費用が必要です。
まとめ
株式会社と合同会社のどちらでも、要件を満たせば建設業許可を取得できます。
設立費用や運営のしやすさを重視するなら合同会社、対外的な知名度や将来の事業拡大を重視するなら株式会社が一つの目安です。
ただし、建設会社の場合は、会社形態だけでなく、定款の事業目的、役員構成、営業所技術者等、営業所、資本金を設立前に確認することが重要です。建設業許可を見据えて会社を設計することで、設立後の許可申請をスムーズに進めやすくなります。
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